Eメールやチャットソフトに代わるコミュニケーションツールとしてチャットや情報共有、タスク管理ができる「ビジネスチャットツール」が流行っていますが、数多くあるビジネスチャットツールの中から、いざどれを導入しようか迷っている方も思います。そこで今回は主要ビジネスチャットツールを比較したいと思います。
ビジネスチャットツールとは?
ビジネスチャットツールとは、ビジネスに特化したコミュニケーションツールです。従来のビジネスのコミュニケーション手段と言えばEメールやチャットソフトが主流でしたが、情報共有が難しい、タスク管理などが別管理になる、つい仕事に関係ない話をしてしまうなどの問題がありました。ビジネスチャットツールを使えばメッセージのやりとりやタスク管理、ファイル共有など機能や記録を残すことでビジネスコミュニケーションを効率化を図ることができます。
今回は以下の有名なビジネスチャットツールを比較したいと思います。
・Chatwork
・Slack
・LINE WORKS
・Stock
比較方法
以下の5つの基準で評価したいと思います。
機能
ビジネスチャットツールでは共通してチャットやタスク管理、ビデオ会議などの基本機能を備えていますが、中にはソース連携やアンケート機能など付加機能を持っているものもあります。機能が豊富さを評価します。
検索性
また、ビジネスチャットツールの一番の目的は「情報共有」でしょう。チャット履歴やタスク等がいかに検索しやすいかを評価します。
外部サービス連携
また、GoogleカレンダーやGmail等の外部サービスと連携できるサービスもあります。連携できるサービスの多さを比較します。
操作のわかりやすさ
操作に覚える時間が少ないほど、社内にも浸透させやすくなります。いかに直観的な操作で使えるかを評価します。
価格
導入費用の安さに加え、無料プランでどのぐらい多くの機能を使えるかを含め、総合的に比較します。
比較結果
Chatwork
国産で代表的なビジネスチャットツール。Chatworkの特徴はチャット主体であることです。メンバーと会話をしながら、「これはタスクにしよう」と思ったときにタスクが登録するという流れでタスクが登録できます。もちろん、タスクから登録すること可能です。
機能
ファイル共有やビデオ会議、グループを登録してグループ単位でチャットなどの他、個人のメモ用にマイチャットいう機能でメモや個人用のタスクが管理できます。その他、有料サービスとなりますが電話代行サービスという独自サービスもあります。
検索性
タスク一覧では完了、未完了だけでなく、自分だけのタスク、完了のうち期限切れとなったタスクを簡単に絞り込み表示できます。また、ファイル一覧画面も用意されており、プロジェクト全体からファイルや検索ができます。
外部サービス連携
また、BacklogやGoogleカレンダー、Googleとの外部サービス連携機能も豊富となっています。
操作のわかりやすさ
国産ツールだけあり、UIは今回比較した中で最もわかりやすかったです。
価格
無料プランでは作成できるグループチャット数が7まで、ビデオ会議は1対1のみの制限があります。有料プランでこれらの数を無制限にすることができます。価格は1ユーザーあたり500円/月、SNS連携やIP制限なども可能なエンタープライズプランでは1ユーザー800円/月となります。
総合評価は以下の通りです。
機能 | 検索性 | 外部サービス連携 | 操作のわかりやすさ | 価格 |
4 | 5 | 5 | 5 | 4 |
Chatworkの詳しい使い方は以下に掲載しています。
Slack
エンジニア向けの機能も備えたビジネスチャットツール。Slackの特徴はグループやプロジェクトは「チャンネル」という単位で管理され、その中でタスクやチャットを管理できる点になります。
機能
ファイル添付の他、ソースコードを共有することができます。例えば、それぞれ離れた場所で行うオープンソース開発のようなプロジェクトで活用ができるでしょう。ただ、デメリットとしてタスクを専用で管理する機能はありません。別途Trelloなどのタスク管理ツールと連携することで補えますが、タスクを検索するにはTrelloと切り替える必要があることから、検索性などはChatworkなどと比べると少し不便になっています。
操作のわかりやすさ
デザインは海外製という感じがありますが、チャネル>チャット・タスクの階層を理解すれば、直観的に操作できました。
外部サービス連携
Slackではappメニューから多くの外部サービスとの連携ができるようになっています。GoogleカレンダーやDropbox、GitHubなどの多くのサービスと連携が可能です。
価格
無料プランでもチャネル数などの制限なしで使えますが、チーム単位で検索できるコミュニケーション数(メッセージやファイルのやり取りの数)が10000までの制限があります。有料プランでは1人当たり850円/月、エクスポートや最大15人までビデオ会議が可能なプランプランでは1600円/月と、1ユーザーあたりの価格は今回紹介したツールの中で一番高くなっています。
総合評価は以下の通りです。
機能 | 検索性 | 外部サービス連携 | 操作のわかりやすさ | 価格 |
5 | 4 | 5 | 4 | 3 |
Slackの詳しい使い方は以下に掲載しています。
Stock
シンプルなビジネスチャットツール。Stockの特徴は情報を残すノート主体のツールであることです。情報共有用にノートを作成し、ノート単位でチャットログやタスクを管理する仕組みとなっています。
機能
タスクにおいては月次や週次で行うような作業は「繰り返しタスク」として登録できるようになっています。
検索性
タスクの検索などはやりやすい他、ノートが多くなった場合はフォルダを作って、整理もできます。
操作のわかりやすさ
タスク一覧では時系列に並ぶことから優先度がわかりやすくなっています。UIも比較的シンプルであることから、比較的使いやすくなっています。
外部サービスとの連携
Slackとのみ連携できます。その他、Googleカレンダーなどの連携はできません。
価格
無料プランではユーザー無制限で使えますが、ノートは20の制限があります。ノートが無制限にするには有料プランの加入が必要ですが、最低で5ユーザー2,980円/月(1人あたり約600円)となっています。
総合評価は以下の通りです。
機能 | 検索性 | 外部サービス連携 | 操作のわかりやすさ | 価格 |
4 | 5 | 2 | 4 | 4 |
Stockの詳しい使い方は以下に掲載しています。
LINE WORKS
ビジネス版LINE。
機能
チャット機能はLINEのインタフェースになってしますのでLINEユーザーは操作感で使うことができ、既読・未読の確認もできる点が魅力です。また、他のビジネスチャットツールと同様、タスク登録や、グループトークやビデオ会議も可能です。その他、アンケートの作成など、機能数では一番豊富でした。
検索性
登録したタスクはカレンダーとして登録される点が特徴です。自分だけでなくすべてのメンバーのカレンダーを表示できるため、時系列で確認することに向いています。また、アドレス帳機能も階層型で検索しやすいです。
外部サービス連携
駅すぱあとやCloudAIチャットボットなどの30以上のサービスと連携できますが、DropboxやGoogleカレンダー、Trelloなどの主要ツール連携はできません。
操作のわかりやすさ
チャット機能はLINEと同じインタフェースですので、スムーズに使えますが、その他の分、多機能な分少し慣れは必要と思いました。
価格
無料プランでは100名までメンバーを共有できます。ライトプランは300円/月と他のビジネスチャットツールの有料プランの中で最安です。ただし、ライトプランではファイル送信ができません。ファイル送信ができるのは500円/月のベーシックプラン以上に加入必要があります。監査ログやアーカイブ等も可能なプレミアムは1000円/月となります。
総合評価は以下の通りです。
機能 | 検索性 | 外部サービス連携 | 操作のわかりやすさ | 価格 |
5 | 4 | 3 | 3 | 5 |
LINE WORKSの詳しい使い方は以下に掲載しています。
まとめ
各ツールの総合評価をまとめると以下の通りです。
ツール名 | 機能 | 検索性 | 外部サービス 連携 |
操作の わかりやすさ |
価格 |
ChatWork | 4 | 5 | 5 | 5 | 4 |
Slack | 5 | 4 | 5 | 4 | 3 |
Stock | 4 | 5 | 2 | 4 | 4 |
LINE WORKS | 5 | 4 | 3 | 3 | 5 |
もっとも総合評価が高いのはChatworkでしたが、操作の習熟面に関してはどのビジネスチャットツールもそれほどかからないという印象でした。個人的にはChatworkが一番使いやすいと感じましたが、他が極端に使いにくいというわけではないので、いずれのツールもすぐに使いこなせるようになると思います。いずれも無料プランが用意されており、Webですぐに申し込みできますので、ぜひひととおり評価していただければと思います。